2017年03月31日

6ヶ月間の基礎科夜間部を終えて


僕には初めての雰囲気でした、その方は。

半年前に何があったか、覚えている方は少ないと思います。
僕もほとんど覚えていません。半年前どころか、昨日のことも忘れるありさまです。
ある一日の出来事だけを除いて。
覚えているのは9月16日。
なぜか。シナリオ作家協会のシナリオ講座説明会があったからです。
説明会に到着したときには、会場は半分以上、埋まっていました。
研修科の柏原寛司先生と、基礎科で現在も教えていただいている林誠人先生から
脚本、脚本家のことについて説明をしていただきました。とても有意義な時間でした。
でも、僕は説明を聞くよりも、林先生の挙動をじっと見ていたのです。
饒舌な柏原先生と比べ、説明会なのに、頬杖をついたり、腕組みをしながら、
押し黙っているような感じの林先生は、それだけで雰囲気がありました。
林先生はやおら口を開くと、シナリオは技術である、その技術を教える、と言われました。
その一言で十分でした。僕は、半年間、通うことに決めました。

とはいえ、僕は人見知りの、口下手なのです。
初回の講義に参加したときには、「ああ、きっと他の受講者と仲良くなるには時間がかかり、
先生と何気ない会話をする時間など遠い先なんだろうな」と思っていました。
しかし、塩田千種先生林誠人先生がいらした初回の講義で、
自己紹介やガイダンスが終わった後、先生方から声をかけていただき、
飲み会に参加し、そこで受講者や先生方とも言葉を交わすことができたのです。
今でも先生方と話すときは緊張してしまうのですが、初日は何を話したのか覚えていないほどです。

それからも飲み会は毎回講義終了後に開かれました。
飲み会は好きなので、毎回のように参加しました。
そうすることで、先生や受講仲間のこともわかり、また、
自分のことも周囲にわかってもらえることができたと思います。

それから毎週、家も職場もある千葉から赤坂に通いました。
半年間の講座では、前半はシナリオの書き方について、テーマや構成、
キャラクター、セリフ
などを教わりました。
僕は今までも本などでシナリオを勉強していたのですが、
本だけでは得られないポイントが随所にありました。
後半は一転、実習形式で、1時間のドラマをプロットからシナリオへと書き進めていきました。

講義で印象的だったのは、シンプルなプロットが、塩田先生の講評で、
どんどんと物語が組み立てられ、人物が動き出していくさま
を目の当たりにして、
僕は鳥肌が立っていくのがわかりました。
飲み会でも、先生に「今日の講義は感動しました」と伝えたところ、喜んでいただいたことを覚えています。

また、 僕自身は、プロットを出したあとで、シナリオを提出し、
林先生から褒めていただくと同時に、「予想通りでつまらない」と言われ、
褒めていただいたこと以上にうれしかったことを覚えています。
先生方に自分が書いたシナリオを読んでいただき、そのうえで講評をいただけるという幸せ。
講評は講義時間中では終わりきりませんでした。
そのあとの飲み会で、続きを聞きたいです、と先生にぶつけたところ、
マンツーマンのような形でさらにご指導いただけました。
 
とはいえ、自分で作品を作り上げなくてはいけないので、すべてをさらけ出していくことになります。
失敗もしました。
そんなときに、僕は塩田先生の言葉を何度も反芻しました。
「ここは授業だからいっぱい恥をかきなさい」
何度この言葉に背中を押されたことか。

また、飲み会などで早く仲良くなったこともあり、
他の受講生の作品も、興味深く読むことができました。
また、他の作品を読み、講評を聞くことで、自分の作品にフィードバックさせることもできました。
シナリオは独学で勉強することもできますが、
受講仲間や先生方に講評していただくことは講座でしかできないことです。

今回、タイミングもよかったなと思うのは、
お二人の先生方の作品が、受講期間中にテレビやラジオで放送されたことです。
その作品について、作品の成り立ちや背景を直接伺えたことは、
今しか経験できないこと だったかもしれません。

68期基礎科は3月23日に修了しました。
僕は4月から研修科に進み、継続して、塩田先生、林先生に、
また、新たに加わる赤松義正先生に教わり続けようと思っています。

基礎科最後の講義は林先生でした。
いつもみんなで行く居酒屋で、半年前の説明会と変わらぬ雰囲気のままの林先生から、
僕の作品の至らない点について教えていただいきました。自分の甘さを突かれたようでした。
今後も、教えていただける幸せを胸に、一歩でも上達できるように頑張っていきたいと思います。

植地



posted by シナリオ講座 at 11:03| 16年秋 第68期基礎科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月24日

3月14日(夜)創作論講義

第67期研修科夜間部の鷲見裕子といいます。
創作論講義のレポートを書かせていただきます。

今回のゲスト講師は、雪室俊一先生

ご存じ「サザエさん」のメインライターとして、現在も毎週執筆されています。
その他にも、数多くの有名人気アニメの脚本を長年手がけられており、
アニメ好きの私としては、とても楽しみにしていた講義であり、
身を乗り出して聞いていました。

先生はとても軽やかにお話をされ、冗談も交えて楽しい時間となりました
もともとアニメをやるつもりではなかった先生は、
漫画家、ちばてつやさんの作品が素晴らしいことに感銘を受けたそうです。
アニメでも実写でも、同じように人間を表現するように考えて脚本を書かれているとおっしゃいました。

サザエさんの中のキャラクターで、先生が考えたキャラクターは何人もいると聞き驚きました。
それは実際にまわりにいる人物をモデルにすると書きやすいとも教えてくださいました。

最近話題になっている「サイコパスの堀川くん」もモデルがいらっしゃるようで、
そのモデルさんの幼いころを想像して堀川くんをつくったら、
そのモデルさんの幼いころを知っている人から、
「確かにあんな性格だったよ!」と教えてもらったというお話に、みんなで驚いて笑ってしまいました

質問にも応じてくださり、私は「毎週毎週、どのようにネタを考えているのか」と質問しました。
すると、驚くことに今でも必ず、原作のサザエさんの4コマを軸に使っているとおっしゃいました。
そのひとつのエピソードから、お話を膨らませていくのだそうです。

帰りには、先生のほうから「飲みに行かないの?」と誘ってくださり、
ちゃっかりサインもいただいて最後まで粘って残っていた私と、
他の科の初対面の生徒のかたたちと飲みに行きました。
先生は飲みの場でも色々教えてくださり、なにかあれば連絡してくださいとまで言ってくださいました

数々の有名人気アニメに携われてきた先生とお会いすることができて、
私はとてもうれしかったです。
今でも、昔の様にアニメがゴールデンタイムにゴロゴロある時代だったらなあ・・・と思うのですが・・・

先生は「とにかくたくさん書くこと」とおっしゃられました。
書くことが習慣になれば、先生のように毎週毎週お話を考えられる脳になれるのでしょうか・・・?

約一年前の春、基礎科から入りまして、まもなく研修科も卒業です
せっかく入ったのだから余すことなく活用させていただこうと、
創作論講義、基礎講座・研修講座ともに、
今回私が一番の出席数だということだけは自負していますが、
これから作品のほうで成果が出せたらと思っています。




posted by シナリオ講座 at 16:33| 16年秋 第67期研修科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月01日

1月24日創作論講義

初めてブログをアップさせていただきます。
基礎科夜間部 目次ナノコです。

1月24日の創作論講義は井土紀州監督でした。
「マリア狂騒曲」「ふたりのシーズン」「ピラニア」「行旅死亡人」監督作品。
「私立探偵濱マイク」「64」「溺れるナイフ」
数々の作品の脚本も手掛けていらっしゃいます。
どんな強面の監督がいらっしゃるのかと思いきや、
声を聞いただけで心が澄んでいくような安心感包容力
説得力を持っていらっしゃる監督でした。

現在、課題のプロットで行き詰っている私にとって目からうろこのお話で、
質問もたくさん飛び交っていました。
自分のプロットは主人公が何をしたいのか迷子の状態で、先に進まず、、、。

作品を創作する際に一番大切なことは、 「問い」を持つこと
主人公の動機はなんなのか?「問い」がテーマになるそうです。
問いに対して、主人公は何を考え、どう行動し、進んでいくのか?
(しつこくてすみません。。でも、これが全て!)
ある目的に向って動くけれど、様々な障害が主人公を悩ませ、狂わせる。
その摩擦(圧力)のかけ方が、強ければ強いほど解放されたときの快感は
何物にも代えがたいものがあります。
圧力のかけ方は個々のセンスと仰っていました。
普遍的なテーマでも圧力の与え方で、新しく斬新な作品に仕上がる可能性が。。。

そして「問い」をより深くするために資料を集め
自分なりに消化していくことも大事
と!
資料を集め、取材をし、自分の中に落としていく。。。
初めはありきたりな「問い」がオリジナルに変化していく瞬間だそうです。

あと、もう一つ面白い作品の共通点だそうですが、
だらだらとした時間設定をしないことだそうです。
二十日とかは最悪。三日ないしは一週間。
日付変更のラインが少なければ少ないほど秀逸の作品が多いと。
なるほど早速、自分の作品も。。。とそう簡単にいくのか不安なところですが、
一週間の設定と、主人公の動機を明確にし、
次回の講評では書きはじめられるように頑張ります!
恋なのか、仕事なのか、はたまた何にもしないのか。。。





 
posted by シナリオ講座 at 17:28| 16年秋 第68期基礎科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月12日

12月13日 創作論講座


基礎科夜間部 大塚玲未と申します。

12月13日に行われた、じんのひろあき先生「創作と表現」
開始5分くらいで、「僕の授業はメモを取らないでください」と言われ、
普段の授業とは違う雰囲気にこの授業は絶対おもしろいと確信しました。

授業内容始めの40分は、
一般の大学生徒が書いたプロットを基準に、ト書きや内容の矛盾点を直していき、
自分がイメージしているものを文字にして、
第三者に伝えることの難しさを教えてもらいました。
その後、某韓国映画を見ながら、11分、29分、50分の法則、
あらすじやプロットを書いてからシナリオに入ることのデメリットをお教えいただきました。

普段、基礎で習っていることと真逆なことを言う先生に、
戸惑う人も多かったように思います。
しかし先生は、
「書くのには気力がいる。
途中で疲れてしまうので最初の一行に悩んで書けないくらいなら、
自分が書きたいと思っているところから書いて埋めていけばいい」
とおっしゃっていました。
ちょうどその時期、私はト書きの一行が書けなくてもがいていたので、
その一言がとても嬉しかったのを覚えています。
人それぞれ色んなやり方があって、合う合わないあると思いますが、
先生の授業で救われた人も多いのでは。

じんの先生の授業で最も印象的だったのは、最後に言われた言葉です。

「今年は 『君の名は。』  『シン・ゴジラ』 
 『この世界の片隅に』 で日本映画界は盛り上がりました。
おそらく似たような作品がこれから出てくるでしょう。
しかし所詮二番煎じです。これらは企画から完成までに6年かかったそうです。
みなさん、デビューは出来ます。でも彼らの2年目3年目の苦悩を想像できますか?
本当にこのままでいいのか、ただゴジラが行って帰ってくるだけの作品じゃないのか。
でもこれで行こうと背中を押してくれたメンバーがいた。
この2年目3年目の苦悩を学ばなければならない。
みなさんデビューは出来ます。
でもこの先10年20年続けていくために、どうすればいいのか。
テクノロジーと共に日本映画はどうしていけばいいのか
を考えなければいけない」

フィルムからデジタルに変わった映画業界。
今低迷しているこの映画業界を今後どう盛り上げていくか。
目先のことだけではなく簡単に出ない答えを、我々は苦悩しながら見つけねばなりません。








posted by シナリオ講座 at 15:04| 16年秋 第68期基礎科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

11月29日創作論講義: 池端俊策先生

67期研修科夜間部、二人目の方の高橋です。

ちょうど今、ヒーヒー言いながらプロット脱稿したところで11月29日の授業の話をします。

池端俊策先生をお迎えしての創作論講義「人物のつくりかた」

劈頭、故・野沢尚氏のお話から一気に引き込まれます。
「弟分」の野沢氏は人物よりストーリーから始める人だったが、
池端俊策先生はまず人物ありきで始める、と。
人物からシナリオを起こしていくうえで挙げられたのが
『プルターク英雄伝』 と岩下俊作著 『富島松五郎伝』 (『無法松の一生』の原作ですね)。
かたや古代ギリシア・ローマの英雄たちの、
かたや明治の下男の一代記から読み解くありふれた人物の典型。
人物の面白さを掘り起こす作業はドラマツルギーの根本であると。

先生の最近のお仕事であるNHKドラマ『夏目漱石の妻』のお話は、
まず主演女優尾野真千子さんへの興味から始まったのだそうです。
鏡子夫人の口述による 『漱石の思い出』 に準拠したこのドラマは、
思えば池端脚本、尾野真千子主演の『足尾から来た女』とも重なる展開があります。
余談ですが故・久世光彦氏のお名前が出たとき、ふと思い浮かんだのはTBSドラマ『夏目家の食卓』
筒井ともみ氏の脚本によるこのドラマもまた、 『漱石の思い出』 を参照しています。
筒井脚本との10年目の競作だったのかと、点と点が結ばれる思いでした。

俳優ありきの企画ということで、伝説のTBSドラマ
『昭和四十六年 大久保清の犯罪』のお話も出てきたときは興奮しました。
群馬の連続婦女暴行殺人犯・大久保清の造形を徹底的に調べ上げることで、
主演者ビートたけしと大久保清の共通点を見出していく過程はとてもスリリング
大久保清マニア(笑)の僕としても、うんうんと頷く楽しさもありました。
どさくさ紛れですが当ブログをお読みいただいている方は機会があれば
『日本セックス縦断 東日本篇』 『戦後猟奇犯罪史』も観ていただいて、比較してみてください!
どの大久保清もそれぞれチャーミングで憎めません。

実在の人物に材を取った、もしくは主演俳優のキャラクターに対する興味が創作の源泉である
という力強い言葉の数々に、無からなにかを創造する苦しみに天啓が与えられたような気がします。



posted by シナリオ講座 at 14:53| 16年秋 第67期研修科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする